【2024年】競艇のフライングによる罰則やペナルティとは?フライングすると引退は本当?
皆さんは競艇予想をするときに選手のフライングを意識したことがありますか?
ないという方は今日からでも意識してみてください。
なぜなら、競艇におけるフライングはレース予想に大きく影響するからです。
本記事では競艇のフライングについて、罰則・ペナルティを詳しく解説しています。
2023年4月から適用された新規則についても記載していますので、是非最後まで御覧ください。
目次
1966年6月17日生まれ。東京大学卒業。
ボートレーサーを目指すも怪我のため断念。某有名競艇雑誌の編プロで働いていたが、廃刊を機に退職し、競艇予想サイト解体新書設立に参画。責任者を務める。
毎日100以上の競艇予想サイトを検証。競艇歴30年の経験と知見で「本物」の競艇予想サイトを日々研究し続ける。
「競艇予想サイト 本物」のグーグル検索結果では1位にその結果を表示させることに成功した。 競艇予想サイト解体新書では主に検証記事を担当する。
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競艇のフライングとは
フライングというと「出発合図の前にスタートをしてしまう行為」という認識の方が多いと思いますが、競艇のフライングは違います。
競艇のフライングは「フライングスタート方式」というものです。
フライングスタートとはボートレース独特のスタート方法。
各レーサーがタイミングを計って、大時計が0秒から1秒を指す間にスタートラインを通過しなければならない。
大時計が0秒を指すより少しでも早くラインを超えてしまった場合はフライングとなる。
フライングをした場合、直前情報に以下のように「F」が付きます。
以下の場合は今節中に1回フライングしたという意味です。
(画像引用元:https://www.boatrace.jp)
フライングを決まった回数行うとペナルティや罰則を課せられるため、選手の走りにも影響が出ます。
必ず予想前に確認するようにしましょう。
競艇フライングによる罰則・ペナルティ
競艇では、フライングを行った選手へ課す罰則やペナルティが定められています。
「こんなに厳しいの?」
と驚いてしまう内容もあり、競艇選手がいかに厳しい環境下で走っているのかが分かります。
競艇予想を行うなら知っておきたい内容のため、最後までお読みください。
一定期間の出場停止
一定回数フライングを行うと出場停止(斡旋停止)処分が課せられます。
出場停止の期間はフライング回数を重ねるごとに長くなり、その間競艇選手は無収入です。
フライング回数 | 出場(斡旋)停止期間 |
---|---|
1回 | 30日 |
2回 | 60日加算(合計90日) |
3回 | 90日加算(合計180日) |
4回 | 180日加算(合計360日) |
フライング回数が4回ともなると1年間出場できなくなります。
その間賞金で稼ぐことはできませんので、いわば引退宣告をされるのと同等です。
即日帰郷
競艇ではレースの進行を妨げる行為を行った選手に対して、「即日帰郷」のペナルティが課せられます。
フライングもレースを妨げる行為としてみなされており、「即日帰郷」をさせられる場合があるのです。
では、即日帰郷となるフライングとはどのようなものなのか。
該当するのは以下のいずれかを行った場合です。
- 同一シリーズ内で2回フライングを行った場合
- スタートタイミングよりも0.05秒以上早いタイミングでスタートした場合
なぜ即日帰郷のような厳しいペナルティが課せられるかというと、非常識なフライングは他の艇のスタートタイミングの調子を狂わす可能性があるためです。
また、フライングをした選手を含んだ舟券は払い戻しが行われ、施行者の売上が減ることに繋がります。
おそらく帰郷する際には施行者からかなり怒られるでしょうね。
事故点数の加算
競艇ではトラブルを起こした場合「事故点数の加算」が行われることをご存知でしょうか。
事故点数とは
事故率(事故点/出走回数)を計算するための点数のこと。
事故率は低ければ低いほど良い。
フライングも事故点数の加算対象に含まれており、1回のフライングで20点の事故点数が加算されます。
そして、事故率が0.07を超えてしまった場合、問答無用でB2級へと降格。
大きなレースへ参加不可となり、収入が激減します。
グランプリでフライングした際の罰則
グランプリは一般戦と比べて何倍もの売上を誇ります。
そのため、事故を起こした場合のペナルティはその分厳しいものに。
ここでは具体的にグランプリでフライングを行った際のペナルティと、実際にグランプリで起こったフライング事故をご紹介します。
G1・G2でフライングした場合
優勝戦 | 出場停止期間終了後、6ヶ月間(182日)G1・G2の選出から除外される |
---|---|
準優勝戦 | 出場停止期間終了後、3ヶ月間(91日)G1・G2の選出から除外される |
一般戦と同様にフライングをした場合には出場停止期間が設けられますが、それに加えて一定期間G1・G2への選出から除外されるというペナルティが付与されます。
賞金を得られなくなることで収入が減ってしうため、若手選手は特にスタートが慎重になりがちです。
では、過去にG1・G2レースでフライングが起きた例を見てましょう。
こちらはG1浜名湖賞初日の第5レース。
なんと全艇がフライングをしてしまったという衝撃的なケースです。
返還額は1億超えで実況者も思わず絶叫してしまっています。
出走メンバーの中には2020年のMVPである峰竜太選手も含まれており、あまりにも早いフライング(0.05以上のフライング)を行ったため即日帰郷となりました。
G1でのレース不成立は過去に5艇フライングによるものが何度かありましたが、全艇フライングはこれが史上初です。
2023年4月よりG1・G2のフライング罰則が強化【追記】
実は2023年4月より、G1・G2でペナルティを行った場合の罰則が強化されます。
その内容は以下の通り。
優勝戦 | 出場停止期間終了後、12ヶ月間(365日)G1・G2の選出から除外される |
---|---|
準優勝戦 | 出場停止期間終了後、6ヶ月間(182日)G1・G2の選出から除外される |
優勝戦・準優勝戦どちらのフライングも罰則期間が2倍に延長されることとなりました。
特に優勝戦でスタート事故を行った場合、実質1年間G1・G2に出場することができません。
この厳しすぎるとも思える罰則規定はどのように選手たちの走りに影響してくるのでしょうか。
より精度の高い予想を行うためには、この新罰則規定も考慮する必要がありそうです。
SGでフライングした場合
優勝戦 |
12ヶ月SG選出除外(賞金王決定戦は例外) 出場停止期間終了後、6ヶ月間(182日)G1・G2の選出から除外される |
---|---|
準優勝戦・トライアル・順位決定戦 |
以後のSG4節選出除外(賞金王決定戦は例外) 出場停止期間終了後、3ヶ月間(91日)G1・G2の選出から除外される |
SGでフライングをした場合はG1・G2よりも重いペナルティが課さられます。
SGに選出されるほどの選手がフライングによって帰郷させられることは滅多にありませんが、全くないことではありません。
例を見てみましょう。
こちらは2022年12月に行われたSG大村ボート「第37回グランプリ」の第11レース。
獲得賞金2位で1号艇の山口剛選手、4号艇の丸野一樹選手がともにコンマ01のフライングを行い欠場となりました。
これにより、売り上げの約95%にあたる5億6122万8500円が返還。
2人は3月から7月までの4SGに出場できず、フライング休みが明けてから3カ月間はG1、G2も走れなくなります。
2023年4月よりSGのフライング罰則が強化【追記】
G1・G2だけではなく、SGのフライングも2023年4月より罰則が強化されます。
その内容は以下の通りです。
優勝戦 |
24ヶ月SG選出除外(賞金王決定戦は例外) 出場停止期間終了後、12ヶ月間(365日)G1・G2の選出から除外される |
---|---|
準優勝戦・トライアル・順位決定戦 |
以後のSG4節選出除外(賞金王決定戦は例外) 出場停止期間終了後、6ヶ月間(182日)G1・G2の選出から除外される |
G1・G2と同様に、各選出除外期間が2倍になっています。
優勝戦でフライングを行った場合は、2年のSG選出除外と1年間G1・G2選出除外という厳しい罰則です。
SGに出場しているのはトップレーサーばかりですが、万が一フライングを行ってしまった場合は上位ランキングからも脱落してしまうでしょう。
まさに1回のフライングが選手生命を別けると言っても過言ではありません。
フライングの抑止には繋がるものの、選手たちのメンタル面に悪い影響を与えないことを願います。
フライングが舟券に与える影響
ここまで選手に対しての罰則について取り上げてきましたが、私達の購入していた舟券にも影響が出ます。
具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。
舟券の返還
選手がフライングを行った場合、その艇を含む舟券はすべて返還となります。
返還対象となる艇はボートレース公式HPで確認することが可能です。
(画像引用元:ボートレース公式HP)
上記の場合は4・6号艇に関する舟券が返還されます。
つまり、たった4艇でのレース結果になるということです。
ハズレたと思った舟券も当たっていることがあるので、最後まで諦めずに結果を見ましょう。
オッズの変更
フライング艇がいたことで舟券が返還されると、オッズにも影響が出ます。
以下の例を見てみましょう。
(画像引用元:ボートレース公式HP)
上記の例では1号艇がフライング欠場となり、オッズが変更となったケースです。
205.8倍が124.5倍まで下がっています。
このように、レース前のオッズから大きく変化することがあるので注意しましょう。
レースの不成立
(画像引用元:ボートレース公式HP)
フライングした艇が複数ある場合、舟券によっては不成立となる場合があります。
舟券毎に不成立となる条件を以下の通りまとめました。
フライング艇数 | 3連単 | 3連複 | 2連単 | 2連複 | 拡連複 | 単勝 | 複勝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1艇 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 |
2艇 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 |
3艇 | 成立 | 不成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 | 成立 |
4艇 | 不成立 | 不成立 | 成立 | 不成立 | 不成立 | 成立 | 不成立 |
5艇 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 |
6艇 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 | 不成立 |
ちなみに、フライング艇が5艇以上になると、全ての舟券が不成立となります。
【ランキング】返還金額の高かったレースを紹介
ここからはフライングなどの事故が原因で特に返還金額が高く、舟券への影響が大きかったレースをご紹介します。
高額返還レース:第5位【第14回新鋭王座決定戦競走優勝戦】
レース名 | 第14回新鋭王座決定戦競走優勝戦 |
---|---|
開催年 | 2000年1月30日 |
開催場 | びわこ競艇場 |
返還額 | 17億3880万5400円 |
大神康司・守田俊介・瓜生正義選手の3艇がフライングし大返還が起きました。
今から20年以上も前のレースですが、今でも記憶に残っている方が多いのではないでしょうか。
高額返還レース:第4位【第16回賞金王決定戦競走優勝戦】
レース名 | 第16回賞金王決定戦競走優勝戦 |
---|---|
開催年 | 2001年12月24日 |
開催場 | 住之江競艇場 |
返還額 | 18億5882万8200円 |
このレースでは5号艇の山崎智也選手がフライングを起こしたことで返還を実施。
これにより、山崎智也選手は2年間斡旋がありませんでした。
1回のレースで収入が激減してしまうと考えると、競艇選手は命懸けで走っていると言っても過言ではないでしょう。
高額返還レース:第3位【第16回笹川賞競走優勝戦】
レース名 | 第16回笹川賞競走優勝戦 |
---|---|
開催年 | 1989年5月9日 |
開催場 | 下関競艇場 |
返還額 | 19億3514万3500円 |
荘林幸輝選手・西田靖選手の2艇がフライングを行ったレースです。
両選手ともに実力がある選手のため、多くの方が驚愕しました。
施行者の方々も信じられない結果だったでしょう。
高額返還レース:第2位【第12回グランドチャンピオン優勝戦】
レース名 | 第12回グランドチャンピオン優勝戦 |
---|---|
開催年 | 2002年6月30日 |
開催場 | 宮島競艇場 |
返還額 | 24億3513万3800円 |
西島義則選手・熊谷直樹選手の2艇がフライングを行い、24億円を超える返還がありました。
この事故により、宮島でのSG開催は2015年のグランドチャンピオンまで見送られることとなります。
選手のフライングは選手自身だけの問題ではなく、多くの方に影響を与えるという良い例です。
高額返還レース:第1位【住之江第36回グランプリ】
レース名 | 住之江第36回グランプリ |
---|---|
開催年 | 2021年12月19日 |
開催場 | 住之江競艇場 |
返還額 | 41億1426万3700円 |
第一位の返還額はなんと41億円超え。
峰竜太選手がターンマークに接触し転覆し、後続の丸野一樹選手、平本真之選手、毒島誠選手が続いて転覆しました。
フライングでの返還ではありませんが、歴史に残る大返還です。
おそらく4艇続けての転覆も史上初でしょう。
競艇のフライングを活かした予想方法
競艇のフライングは選手にとっては良くないことばかりです。
しかし、予想をする我々にとっては予想のヒントになる場合があります。
では、どのようにフライングを予想に活かすのか。
その方法をご紹介します。
フライング回数の確認
まずは出走表で選手のフライング回数を確認しましょう。
(画像引用元:ボートレース公式HP)
前述した通り、出走表の「F」はフライングを意味します。
この数値が2の場合は既にフライングを2回行っているということです。
万が一、3回目のフライングを行ってしまった場合は180日間の出場停止となります。
その選手はかなりスタートに慎重になり、本来の実力を出すことができません。
そのため、「F2」と記載がある場合は予想に入れないのが懸命です。
そうすることによって、6艇から5艇に候補を絞ることができます。
隠れフライングに注意
実はフライングには出走表に載っていない「隠れフライング」というものが存在するのです。
本記事の前半でも記述した通り、フライングの回数によって選手たちはレースに出場できません。
そして、このフライング回数は期が新しくなるとリセットされ、またF0からカウントとなるルールがあります。
しかし、前記に「フライングを行っていた」という事実は変わらないため、実力や調子が悪いことが明らかです。
そのため、そのような選手を舟券を絡めるかは慎重に判断しましょう。
B級選手の場合は外してしまっても良いかもしれません。
(画像引用元:競艇日和)
隠れフライングが競艇日和の出走表で簡単に確認することが可能です。
競艇日和の使い方が分からないという方は以下の記事もを是非参考にしてください。
競艇のフライングによるペナルティまとめ
ここまで競艇でのフライングや罰則・ペナルティについて書いてきましたが如何だったでしょうか。
競艇について深く知らない方はフライングについて甘く見がちです。
しかし、行うとかなり厳しく罰せられ、選手生命を続けられるかどうかに深く関わってきます。
選手の走りにも影響が出てくるため、予想を行う際は意識してみると良いでしょう。
競艇で効率よく稼ぐ方法をご紹介
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