競艇の魔の8項について解説！過去に該当して引退した選手や注意点をご紹介

皆さんは「魔の8項」と呼ばれる競艇の制度をご存知ですか？

魔の8項とは該当するとあっせん保留となる、その名の通り競艇選手に恐れられている制度です。

本記事ではそんな魔の8項の詳細に加え、過去に該当してペナルティを受けた選手をご紹介いたします。

一見競艇予想とは関係ないと思われるかもしれませんが、選手の走りへも影響する規約なので、理解しておいて損はないでしょう。

競艇の魔の8項とは

競艇における魔の8項とは、級別審査期間の勝率が3.00未満、または事故率が1.00以上の選手に対し、その後6ヶ月間出場あっせんが保留される制度です。

(出場斡旋が保留＝レースに出場することができないということ)

正式名称は「選手出場あっせん保留基準第8号」で、第8号に該当することから、「8項」と呼ばれています。

なぜ魔の8項という規定があるのか

現在、毎年デビューする競艇選手は増加傾向にあります。

しかし、開催されるレース数は限られている中で競艇選手が増えていくと、全員が平等に走ることは難しくなってしまいます。

そこで、そのような事態を避けるためにも、魔の8項という制度を設けて競艇選手の飽和状態というのを緩和しようとしているわけです。

競艇選手にとっては大変厳しい制度ではありますが、競艇界のさらなる発展を考えれば、魔の8項は必要な制度と言えるでしょう。

魔の8項の規定を詳しく解説

先ほども軽く触れましたが、こちらでは魔の8項に該当する条件をさらに詳しくご説明します。

魔の8項に該当する条件は以下の通りです。

• 級別審査期間の勝率3.00未満の場合
• 級別審査期間の事故率1.00以上の場合

それぞれの詳細をご説明します。

規定①：勝率3.00未満の場合

競艇における勝率とは、選手の過去一定期間（通常は半年＝4期ごとの累計）のレース成績を基に計算される「平均着順点」のこと。

各着順の点数と勝率の計算方法は以下の通りです。

例えば出走回数が50回、獲得点数が145点だった場合・・・

勝率 = 145 ÷ 50 = 2.90

で勝率2.90となり、3.00未満なので「魔の8項」に該当するというわけです。

規定②：事故率1.00以上の場合

競艇における事故率とは、選手がレース中に発生させた事故点を出走回数で割った値です。

この数値が1.00以上となった場合、「魔の8項」に該当し、6ヶ月間の出場停止処分を受けます。

主な事故点の加算基準は以下の通りです。

このように事故率が1.00を超えると、「魔の8項」に該当してしまい、半年間の出場停止になります。

この基準は非常に厳しく、スタートを攻める選手ほどリスクが高まるため、慎重なレース運びが求められます。

魔の8項には落とし穴がある

魔の8項は抵触すると半年間の出場停止となり、選手生命に大きな影響を及ぼす制度です。

​特に、事故率1.00以上での適用は厳しく、選手にとっては避けたい事態です。 

ただ、実はこの魔の8項を避けられる落とし穴があります。

それは、魔の8項の規定に該当するのが「出走回数が50以上の選手」に限られていること。

つまり、出走回数が50を超えなければ、この厳しいルールを避けられるわけです。

実際に結果が出ていない選手の中でも、49走であえて止めている選手もいらっしゃいます。

代表的なのは、2014年に引退をした大原由子元選手。

半年間の出走回数を49に止め、勝率3.00未満の抵触しないようにしていました。

スポーツ選手としてどうかと思いますが、厳しい競艇界で生き残るにはそのような知恵も必要なのかもしれませんね。

魔の8項に該当した選手一覧

実際に魔の8項の規定に過去引っかかってしまった選手は合計13名。

その中でも特に注目された方々をご紹介いたします。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

​安河内将：2013年

出典:ボートレーススター候補特設サイト

安河内将選手が「魔の8項」に抵触したのは、デビュー2期目の2013年。

​この年の7月に多摩川でフライングを1回、10月の蒲郡で2回目のフライングを犯し、期末に2本目のスタート事故を起こしました。

​その結果、事故率が1.05となり、「魔の8項」に該当。

​これにより、6ヶ月間の出場停止処分を受けることとなります。

小芦るり華：2016年

出典:中日新聞

小芦るり華は2016年デビューし、その年に複数回フライングを起こしたことで「魔の8項」に該当しました。

彼女はデビュー当初から攻めたスタートをすることで注目を集めていましたが、デビュー5ヶ月目にやらかしてしまいます。

住之江競艇場で、+0.06秒のフライングを犯しました。

さらに、その後の節でもタッチスタートを続け、最終的には児島競艇場でさらに2本のフライングを犯す事態に…。

結果として、デビュー期の出走数は56回で、事故点が60点に達し、事故率が1.00を超えてしまいました。

芦村幸香：2018年

出典:デイリースポーツ

​芦村幸香元選手が「魔の8項」に該当した主な原因は、産休からの復帰後における成績不振によるもの。

2016年に産休に入り、約2年間の休養を経て2018年に復帰しましたが、産休前のような走りを行うことはできず、復帰後に通算勝率3.00を超えるこができませんでした。

その結果「魔の8項」の基準に抵触し、半年間の出場停止処分を受けることとなります。

その後も成績は振るわず、2019年12月26日に現役を引退しました。 ​

福来剛：2018年

出典:中日スポーツ

福来剛選手が「魔の8項」に抵触したのは、2017年前期の級別審査期間中のこと。

まず、​2017年6月のレースでフライングを犯し、事故点20点が加算。​

その後、7月の地元レースで再度フライングや選手責任による失格も重なり、事故点が累積されていく結果に…。​

​この時点での出走回数は51回であり、事故率は1.02。​

​さらに、期末のびわこでのレースで妨害失格を犯し、事故点が追加され、事故率が1.05を超える結果となりました。​

これらの結果、福来選手は「魔の8項」に該当し、6ヶ月間の出場停止処分を受けることとなります。

復帰後は、事故を減らすことに注力し、現在はA1級選手として活躍しています。

魔の8項はレース結果にも影響する｜安定して競艇で稼ぐためには

魔の8項は選手だけに関係することではありません。

実は、競艇予想を行う我々にとっても重要な制度なのです。

というのも、魔の8項に該当した選手は、復帰後もしばらく勝率が低迷するケースが多く見受けられます。

そのため、安易に復帰直後の選手を狙うと、痛い目に遭うかもしれません。

しかし、こうしたリスクを未然に防ぐためには、事故率や過去の魔の8項該当データをしっかり管理する必要があります。

正直それをご自身で行うのは億劫ですよね・・・。(私もできればやりたくありませんw)

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競艇における魔の8項についてまとめ

最後に魔の8項についてまとめていきます。

競艇選手はプロである以上、結果を残さなければ生き残ることはありません。

年々競艇選手は増えているので、尚更競争は激しくなっています。

今後は競艇予想・観戦する際は競艇選手がどのような状況なのかを意識しながら行うようにしましょう。

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